納入先・元請とのトラブル
建設業・製造業・修理業・ソフトウェアなどの情報成果物作成の委託を受けている中小企業のみなさんの「下請代金を値切られた」「勝手に赤伝処理された」「割引が難しい手形を押し付けられた」などのお悩みに迅速に対応します。未払下請負代金の支払催告、親会社への未払事実通告、弁護士会照会、官庁への申立と働きかけなど事案に応じた戦術によりお悩みを的確に解決します。
納入先・元請とのトラブルについて
中小企業の方は、納入先、元請との関係を円滑にすることが事業存続にとって重要ではないかと存じます。しかし、例えば「代金の支払を不当に引き延ばされた」という経験、「納得のできる理由なく代金を値切られた」という経験がある方もおられるのではないでしょうか。
中小企業が製品を納入する先は、元請などの企業が多く、それら企業が有利な地位を使って納入した代金を値切ったり、その支払を引き延ばしたりすることがあります。
親事業者との関係で下請業者となり、下請法に違反する取引を強要されるリスクがあります。なお、建設業者には下請法の適用はありませんが、建設業法に同等の規定があります。
下請法(建設業者の場合は建設業法)を利用して、監督官庁の行政権限の発動を求め、またその発動された場合の法的 効果を予想させて、元請に下請代金の支払を得るよう努力します。
ところが、下請代金の回収には、基本的な書類が作成されていないケースもあります。このような場合、弁護士は基礎的な事実関係の調査から行います。
下請法を少しだけ紹介します。下請法は、親事業者に発注者からの給付受領後60日以内に、下請に対して代金を支払うべき旨を定めています。
また、下請に対する書面の交付・作成保存・遅延利息支払義務等があります。なお建築業は、建設業法に特別の規定がありますので下請法の適用はありません。建設業法では、給付受領後『50日以内』とされています。建築物は20日の検査期間が法定されていますので、支払期間は実質的には『70日以内』となります。
下請法は、親事業者には支払遅延・減額・返品して代金不払・買いたたき・購入利用強制などを禁止しています。実務上効果があるのが下請業者に対する書面不交付です。書面不交付の場合、罰金50万円の刑事制裁があるので、罰金の警告と併せ履行を促すことができます(下請代金法3条1項・10条)。なお、建設業法には罰則がなく、下請代金の減額交渉の禁止規定も存在しない等の差異があります。
納入先・元請とのトラブル解決の流れ
主要な手続の流れです。(※必ず下記の流れによるわけではありません)
STEP1.
- 発注者が元請業者に代金が支払っているかを弁護士会照会で確認します
STEP2.
- 内容証明郵便により催告を行います
- 遅延利息14.6%を請求します
STEP3.
- 必要に応じて公正取引委員会への措置請求を求めます
- 都道府県にも支払の行政指導をするよう申し入れます
納入先・元請とのトラブルのポイント
最近は、ソフトウェア開発の納入に関するトラブルが増えています。ソフトウェア開発では、契約の時点で完成する仕様が確定していないこと、発注者の積極的協力が必要であり、請負人と注文者との共同作業との側面が強く、当初の業務分析を見誤ってしまい、発注者に予想外のシステムができあがり、トラブルになることが増えています。
トラブルを防止するには、提案依頼書(RFP)、システム提案書、契約書、見積書だけでなく、注文者との開発工程についての打合議事録、メール等をきちんと保管しておくことが大切です。 法律上の難しい問題もありますので、まずはお気軽にご相談ください。