不動産所有法人について
不動産所有法人には、①建物所有方式、②土地建物所有方式の2種類があります。
建物所有方式
実務上もよくみるのが「建物所有方式」です。建物は資産管理法人が所有しますが土地は個人が所有します。
メリット
① 個人が賃料収入を法人から受け取ることができる
② 不動産所得は法人が所得することになる
③ 法人の役員になれば役員報酬も支払うことができる
④ 役員報酬により資産の分散化が図ることができる
デメリット
① 権利金や地代を支払う必要があります
→ 権利金については相続税路線価の借地権割合をベースとして計算するので、あまり節税効果がないこともあります。また、相当の地代は、更地価格か相続税評価額の価格の6パーセントとされています。
② 土地は個人所有ということになりますので、土地が個人、建物が法人になるので「売りにくい」といえます。
土地の無償返還届出
上記①及び②のデメリットを防止するために、土地の無償返還届出書を税務署に提出しておきます。具体的にいうと、将来的に借地権を無償で返す約束をしていますから、返す場合は、対価として借地権価格として売ることになりますが、これを無償で返却するという約束をすることで、一定程度、有利に建物所有方式で法人を作ります。税務上は借地権20パーセント、所有権80パーセントということで、なかなか破格といえるのではないでしょうか。
土地建物所有方式
古い場合は、建物所有方式が多かったように思うのですが、現在は土地建物所有方式の方が経験的には多いように感じます。
メリット
① 法人が事業所得として得るので所得税対策になる
デメリット
① 土地も購入することになりますから、多額の自己資金が必要となったり銀行からの借り入れが必要となります。