白紙委任状を渡してしまいました。

息子に、借金の担保にするために必要ということで、わけもわからず白紙委任状を渡してしまった場合、自分が100万円を借りる金銭消費貸借という説明でしたが、実際は5000万円だったという場合は有効になるでしょうか。

 

本件についてみると、白紙委任状の委任事項が濫用されたといえますが、Aは110条の要件を満たしていなければ、5000万円の借り入れの高価が親に帰属するということになります。

 

そうすると、民法109条は、①第三者に対して自分が他人に代理権をあげたよと表現したこと、②その範囲内でしたこと、③相手方が、無権代理であるということを知っており、又は、過失により知らなかったこと-という要件を満たせば、その効果は帰属します。また、109条と110条はダブルで適用がありますので、範囲外であっても、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由がある場合は、効果が親に帰属するということになります。具体的には、善意・無過失であるということで、相手方に過失がある場合には、110条の適用はありません。

 

いずれにしても白紙委任状の事項が白紙で何が書かれるか分からない場合は、急いで弁護士に相談されることをおすすめいたします。

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