営業権が肯定された事例

営業権が認められたものとしては,昭和46年8月13日の裁決があります。

 

旧会社が貿易をしている会社がありました。この会社の販路は輸出であると考えられます。

 

譲渡会社が債務超過の状態にありました。

 

譲渡したときに譲り受けた譲受会社は営業権を500万円で取得したと主張していました。

 

主力商品Bは成長性の高いものだったのですが,B商品については見込みがあるということで,B商品を売るために譲受会社に譲渡をした。

 

譲受会社は4600万円の売上も増えていったという事例です。

 

裁決としては,譲受会社が営業権として計上した500万円は,譲渡会社がB商品の販路開拓のための相当な資力を問うかしたことによって生じた開発費などの繰延資産であると認めるのが相当であるとして,営業権の存在を認定しています。

 

この例では,超過収益力には大きく振れられていません。ベースのところは,繰り延べ資産といいながら一気に計上している理論的整合性は問題になる裁決と評価することができるかもしれません。

 

次に54年7月18日の裁決です。

 

Y社は保証している会社の保証していた会社が倒産して連鎖倒産することになりそうであったので,第二会社Xを作り事業譲渡をして事業の継続を図ろうとした。

 

Yは大手からの下請を受けていたが,その実績をXが引き継いだこともあり,仕事を引き継ぐことができたのである。事業譲渡時にYは1079万円の債務超過で,Xは営業権を1400万円として計上した。

 

裁決として信用度を引き継いでいるということを認め,譲渡人の以前の貢献があったからこそ下請がとれたということで,譲渡人のおかげでいまがあるというような判断となっています。

 

信用度がまさに営業権として他の業者に勝る地位を保証されているといえます。

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