5つの脅威:既存業者間の脅威
既存業者間の競争に目が行きがちだ。最終的には、既存競争の激化は売値の下落につながる。また、激しい競争であればプロモーションの必要性を生じて、販管費は上昇することになる。
製品の独自性が低かったり、スイッチングコストが低い、価格引き下げのインセンティブが強い業界、撤退障壁の高い業界というのは、消耗戦を招くことになる。
特に業者を変更するコストは意外とかかるものであるが、これが低い場合、価格での有利選択をされてしまうことになる。また、固定費が高い業界というのは、固定費がかかっている以上、稼働率を上げた方が得策だ、という判断となりやすい。そこで値下げの誘因が生じやすい。スーパーの「見切り」販売も同じような傾向といえる。捨ててしまえば、売上はゼロであるが「見切り」で少しでもキャッシュを生み出した方が得策という考え方が出てくる。
意外なことであるが、参入障壁が高い場合は撤退障壁が高いことも多い。要するに引くに引けないので過当競争になるということである。特に資産に特殊性がある場合、雇用面の束縛などから、撤退するべきときに撤退できない事業も多い。こうした場合は不採算でも事業を維持する傾向となる。