日本版同一労働同一賃金とは?
「日本版」同一労働同一賃金とは何か
海外では、同じ仕事については、同じ給与を支払わなければならないという法制があります。しかし、日本の「同一労働同一賃金」は、「均衡待遇」に近いものといえるのであり、単に同じ仕事であれば給与も同じということを意味しません。
具体的には、非正規雇用との間の不合理な待遇の相違、差別的取り扱いの解消を目指す趣旨であるということを覚えておきましょう。
したがって、厳密には信義則に照らして、「均衡処遇」や「均等処遇」といわれます。
1.均衡処遇とは
均衡処遇とは、正社員と秘跡機社員の待遇差が、職務内容や配置などの変更内容、その他の事情に照らして不合理でないことをいいます。つまり、不合理でなければ、一定の差異があっても構わないことになります。
他方、均等処遇とは、均衡処遇とは異なり、差異を設けてはいけないという厳しい規制となっています。主には、フルタイムパートなどに妥当するものと考えましょう。
2.同一労働同一賃金に関する判例
同一労働同一賃金に関する法律は、パート有法、派遣法があり、また、これらに基づく同一労働同一賃金ガイドラインが策定されています。しかし、最終的には、判例が判断することになります。
同一労働同一賃金に関する最高裁判決については、リーディングケースとしては、「ハマキョウレックス事件」(最判平成30年6月1日)、長澤運輸事件などが挙げられています。
これらは、賃金の中では各種手当に関するものでした。
このほか、基本給、賞与、退職金については、大阪医科薬科大学事件(最判令和2年10月13日)、メトロコマース事件、日本郵便事件(最判令和2年10月15日)などがあります。
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