引き際を見極め、きっぱりとあきらめる。
引き際を見極めて、きっぱりとあきらめる―というと、ネガティブなことをいっているようにも思うだろう。しかし、現実が見えているかは別の問題だ。意思が弱いからあきらめたのではなく、やる気がないわけでもない。しかし、明確なフィードバックを読み取る分別を分析して、それに基づいて行動したにすぎない、ということだ。
間違った道かどうかを確かめるには実際に挑戦するしかない。そして、その後始末をすることになったとしても、「これは私の道ではない」とあきらめるのは勇気のいることである。
間違いを受け入れることには勇気が必要だ。途中でやめるのは弱さの表れではない。むしろ強さの証明というべきであろう。
失敗について、いつまでも縷々述べてくるものは、品位がない。絶対に失敗しない人などいないのであって、やってみて、失敗する可能性など誰にでもあるのである。
数年前、イギリスの女性閣僚が辞任した。理由は力量不足だ。結果、彼女の評価は日本では理解されないかもしれないが「上昇」したのだ。なぜなら、自分の能力不足を認めるには勇気がいる。正直さ、勇気、正確な自己分析は、他の者より優れていたのである。
正しい理由によりて、正しいときにあきらめること、このことは自分の強さの証明である。物事の引き際を感じたときは天命と思い、勇気をもってあきらめることも勇気なのだ、これは30代、40代のマネージャークラスにならないと分からない発想かもしれない。精進したい。