東京ルールって何ですか
東京都賃貸住宅紛争防止条例というのがありまして、いわゆる東京ルールと呼ばれています。特に賃貸住宅の修繕費、原状回復費用をめぐる紛争について東京都が制定した条例のことです。
民法や借地借家法には原状回復費用に関する定めはなく、原状回復費用をめぐる紛争の解決は、裁判例の積み重ねや国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に委ねられてきました。
しかし、東京ルールは、宅建業者に、特に原状回復について一般と違う特則を設ける場合は書面による説明を義務付けたものです。一種の宅建業法の強化ともいえるでしょうか。
説明するべき事項としては、宅建業者が書面を交付して説明すべき事項は修繕費や原状回復費用の負担についての基本的な考え方、特約の有無や内容、入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先で一般的な原則と特則とを併せて説明することが義務付けられています。
なお、あくまでも東京ルールは修繕費や原状回復義務についての説明義務を重たくしたものとみることができ、賃貸借契約の内容、敷金返還の方法について直接規律をしたものではないことには注意が必要です。
業者は、契約前に「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」というA4でいうと2枚ほどに相当する書面を交付することになります。