商品形態模倣行為という「形態」
商品の形態を模倣することは、不正競争になります(不正競争防止法2条1項3号)。
商品の形態の模倣というのは、通常の使用で知覚できる商品の形状のことをいい、模倣とは、他人の商品の形態を真似して、ほとんど同一の形態の商品を作ってしまうことです。
不正競争とされたことにより、周知性や創作性・登録などがなくてもデッドコピーを直接規制することができるようになりました。デッドコピーになるには周知性や混同などの要件も必要ではありません。
もっとも、どうしても似てしまうもの、これはアップルとサムスンとの言い分にも重なりそうですが、テレビだったらどうしてもこういう形態になってしまうでしょう、というものがあります。こうした商品が通常有すべき形態については、不正競争からは除外されています。
さて、模倣といいますと、実質的には、他人の商品形態にアクセスするという要件と、依拠して作り出された他人の商品の形態と実質的に同一であるという要件の2つを満たす必要があります。
そして、実質的に同一というところがポイントになりますが、ファーストフォロワーなのか、単なるパクリであるのか、ということは段階的判断であり、実務上は判例の集積とその分析に委ねられているところが大きいといえます。
「類似」よりも不正競争は「形態が酷似」となっているから、概念的にはより狭いものであり、実質的に同一というのは酷似しているかどうか、ということです。具体的には対比して観察するということを基準に判断されることになりますが、もちろん内部構造等も考慮の対象にはなるでしょう。