再生手続が開始された場合どうなるのですか。

いちばん大事であるのは、再生債権の弁済禁止の徹底、履行テストのための分割予納金の継続納付を遵守するということです。

 

そして、再生手続き上要求される、再生債務者の財産に関する調査、再生債権に関する調査、再生計画案の作成・提出(民再163条1項)、再生計画案の作成・提出(民再163条1項)などを行うことになります。

 

さて、なんといっても一番大きな仕事は、再生計画案の作成です。

 

再生手続開始の決定後は、再生計画案の作成が再生債務者代理人の重要な作業ですが、①新たな借り入れの回避、②財産の増加の報告は大事な作業となります。

 

法律的に堅いことをいえば、実は債務者は、再生手続開始後の生活並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権は共益債権とされます。そして新たな借り入れも論理的には可能ということになります。

 

しかし、新たな借り入れは厳に慎んでください。特に名古屋本庁は鬼のように厳しい裁判官がいますから、家計簿からこうした事実は知られてしまいます。中にはヤミ金からお金を借りてしまって、その返済のために再生計画案の作成が困難になったというケースがあります。

 

したがって、再生手続中であることを自覚して、新たな借り入れは可能な限り、しないように注意をする必要があります。

 

次に、財産が増えてしまった場合です。民事再生をして財産が増えるだなんてバラ色ではないか、と思います。

 

しかし、再生計画というのは清算価値保障原則に違反してはいけません。要するに債権者にとっては破産されるよりも「お得」と思わせなければならないプランを作らなければいけません。そのため、違反の有無は、実務では再生計画の認可時を基準にして判断をしています。

 

ただ、再生手続開始の決定時と再生計画の認可時の間は通常は数ヶ月ですから、そんなに清算価値が大きく変わったらおかしいですよね。

 

しかし、個人事業主はそういうわけにはいきません。宝くじがあたってしまうというように、ぽーんと売上が上がるときがあります。したがって、個人事業主の事業収益が増加したことから再生計画の認可時の清算価値が再生手続開始の決定時の清算価値を大きく上回っていたケースがあります。

 

以上のとおりで、清算価値保証原則に違反しないかどうかの判断のために必要ですので、再生計画の認可時までに財産の増加があれば報告をするようにしなければなりません。

 

つまり、個人事業主は売上、要チェックです。

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