モンスター社員は危ない!
最近、モンスター社員に頭を悩ます経営者が増えています。
その会社しか知らないことから、常識がずれているのが原因ではないかと思いますが、モンスター社員とは、自己中心的で非常識な行動をとるものです。
中には八方美人もいますがどこかで折り合いをつけないと「美人」ではいられませんから横領、手抜き、日報の改ざんなどをやっている例もあります。
裁判を起こしてくるほどのモンスターは、「見る目がなかった」とあきらめて弁護士さんに依頼するしかないでしょう。
問題なのは、経営者には、職場環境維持の利益もあるから、労務トラブルがあると、中小企業は5名から10名程度ということも少なくなり、消防士的業務が多くなり本業に注入できないということです。こうした点も、顧問弁護士から退職勧奨してもらう、など少し工夫をこらしてみることも必要です。
モンスターは、「研修医のアルバイト」と一緒で副業に精を出す人です。私も勤務弁護士を雇っていたことがありますが、通常は30件から45件程度の事務所事件を担当のうえ、余力で個人事件を行います。ところが,あるきっかけで、私と弁護士で調査したところ,会議では手持ちは「30件はありますねえ」と繰り返していた某弁護士ですが、結果13件であることが分かりました。さらに調査チームで調べたところ、13件のうち期日が動いているのは3件しかないという結果があり、驚愕の結論となったのです。このように、日中仕事をせずに,だらだら仕事をやっているということのようです。私は労働側の労働専門弁護士を弁護士登録した直後していましたが、人間として正しくない人の残業代請求等はお断りしていました。というのも、当時、名古屋で一番大きな法律事務所の取締役をしており、労働側の事情も、経営側の事情も両方わかってるつもりだからです。このように、使用者側として、労働事件を労働集中部で扱った経験も当然生きておりますし、取締役としての経験も生きています。
労働法に関する知識が豊富な社会保険労務士が多いことはそのとおりですが、弁護士と異なり代理権はありませんので交渉の窓口にすることは違法です。
そこで、モンスターの動きをみて、裁判や交渉に発展しそうという場合は社労士ではどうしようもありませんので、早めに顧問弁護士に相談しておくことが必要です。モンスター社員もプロですので、意図的に解雇するように誘導しているかのような行動をする人がいます。場合によっては、所属長に侮蔑的な言葉を投げかけて「パワハラ」「目が怖い」などと管理職を罵倒するのです。そうすると、みなこの人は常識がないな、と思いますし、経営者としても職場環境配慮の利益がありますから、解雇せざるを得ないのですが、これくらいでは解雇の正当性は認められにくいというのがベースラインとなります。もっとも指導教育をしたうえで複数回,罵詈雑言を述べた場合はリスクをとって解雇することも仕方がありません。その結果、2人の従業員が退職をしたいといいだしました。結論的に中小企業の場合、ひとりの解雇や職場環境の悪化は、即、自己の負担増につながる可能性もあります。したがって、利益考量をする必要もあり、経営法曹の弁護士よりも経営判断として,解雇をするのか否かということを決める必要があるのです。