税務訴訟の検討会をしてきました。
現在,通知税理士としても活動しておりますが、法人税の寄附金認定を争う税務訴訟を行っております。その検討会をしてきました。とある旅館に朝から缶詰になりまして、検討作業を行わせていただきました。これが良い結果に結実すればと願っています。
詳細は申し上げることができませんが,問題となっている寄附金というのは、名前を問わないで、金銭その他の経済的利益を贈与・無償供与してしまうことです。法人税法は、寄附金については損金算入限度を持っていまして要するに大体は損金にならないのです。
損金に算入されなければ法人税の金額が大きくなるのでトラブルになるのです。
寄附金は「無償」なのですが、対価またはそれに相当する金銭の流入がないことを意味しています。この点は、過去の例もたくさんあり、「債務の免除をした場合の債務相当額」、「資産を譲り受けた法人が売主に正常な対価を超過する支払をなした場合におけるその超過額」が問題となっています。もし、みなさんの会社がよかれと思って「仕方ないなあ」といって債務を免除したら寄附金とされてしまい損金として認められない、資産を買ってあげたのだが評価に争いがあり不当に高いとして一部について費用性を否定され損金不算入となった,となれば,これはたまらん,というのはご理解いただけるのではないでしょうか。
特に、債権回収が不可能な場合の債権放棄については、寄附金に該当するか否かは多くの裁判例があります。例えば、最初から回収不能が予知されていたら貸付には経済的合理性がないから寄附金に該当する、というものもあります。
この点、貸倒のリスクは何にでも伴うものではないか、という声も聞こえてきそうですが、損失を負担しなければより大きな損失の発生が予測されそれを避けるためにやむを得ず行う場合等、その経済的利益の供与について経済取引として十分な合理的理由があることが必要とされていると読める判例もあるわけです。もちろん法的整理がなされればそれらは損金処理するわけですが、その一歩手前での債権放棄は税務リスクも慎重に吟務をするべきではないかなと思います。