セブンイレブン加盟店の営業の自由とは?
セブンイレブン加盟店が、運営会社に対して、深夜営業の中止の申し入れをしてこれを拒否した行為が「優越的地位の濫用」(独占禁止法2条9項5号ハ)に該当するか、という挑戦的な裁判の判決が出されました。
結論としては、棄却されました。
コンビニ契約における24時間営業というのはオーナーのみなさんであれば分かると思いますが、負担が大きいものです。アルバイトを雇っているところもありますが逆に深夜にオーナーがレジをしているというお店もよくみかけます。
これまでも民法上の公序良俗違反などで争った例はあったのですが、独占禁止法の「優越的地位の濫用」を正面から持ち出した判例はこれが最初ではないかと思われます(東京地判平成23年12月22日判例集未登載)。
公正取引委員会は、加盟者が本部との取引が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため、本部の要請が自己にとって著しく不利益なものであっても、これを受け入れざるを得ないような場合をいうとしています。
たしかに、セブンイレブンなら7時から11時までの営業というようには誰も思っていないでしょう。もっとも、地域によっては24時間営業というのは経済的合理性がない場合もあります。この判決は、利益・損益分担の公平性という観点が欠けていると考えられます。
深夜のわずかな売り上げによっても、本部は入金を得ることができることになるわけですが、お店をオープンしておくと縷々の経費がかかります。一番大きいのは人件費でしょう。夜間は強盗の心配から警察から2人以上の配置といわれることもあります。
運営会社の側が24時間営業のイメージという統一性を守りたいがために24時間営業にこだわるのであれば、相応の損失の負担もしなければ公平性に欠け、結果的には、受け入れざるを得ない状況にある、といえるのではないかと考えられます。運営側には東京地裁からすれば独占禁止法に違反するレベルではないにしても、代償措置の創設をして、利益・損益分担の公平性が保たれるようにするよう求めたいと思います。