同族会社の少数株主の戦い方。
同族会社の株主ながら35パーセントしか持っていない場合,どのようなことができるのか,ということが問われることがあります。
このときに意外と重要になるのが会社法の知識です。会社法は大改正が行われており現在の会社法をマスターしている弁護士は意外と多くないという印象を受けます。
さて,少数株主の知らない間に会社財産を処分してしまおうという場合,取締役会設置会社の場合,「重要な財産の処分」は取締役会の決議事項になります。他方,事業の一部譲渡は会社の株主総会の特別決議が必要であり,少数株主の強力が必要となります。
しかし,会社側は,あくまでも有形資産の譲渡にすぎないとして,事業,つまりゴーイングコンサーンの譲渡ではないとして特別決議を省略してしまうというケースも出てきます。事業譲渡であるのか,それとも固定資産の譲渡にすぎないのは微妙なところだと思いますが,装置産業の場合,それが単に固定資産の譲渡にすぎないという相手方の言い分を鵜呑みにする必要はないと思います。売上に占める割合など,事業内容としても会社のヒト・モノ・カネ・情報が有機的一体をなした事業であると主張していくことが大事である案件がありました。
少数株主の方々も,会社法は一定の保護をしてくれています。こうした武器をうまく利用するために法律サポーターとして戦術を提供して参ります。