株価指数取引及び先物取引について、不法行為を認めた事例

本件は、業者から飛び込み営業を受けて、株価指数取引及び先物取引を開始した顧客が、同取引により損失を被ったものとして、業者による説明義務違反、断定的判断の提供を理由に不法行為に基づく賠償請求を求めたものです。(東京地裁平成29年8月9日)

 

判決は、業者が顧客に対して、取引の仕組みやリスク等が記載された冊子、契約締結前交付書面を交付していた事実を認定しつつも、業者はこれらの書面の内容について具体的な説明がないこと、滞在時間1時間で株価指数取引の経験のない顧客に十分に理解できる程度の説明がなされたとはいえず、後日の通話記録からしても、取引の仕組みやリスクを理解していたとはいえないことから、説明義務違反の不法行為が成立するとしました。

 

また、判決は、株価指数取引における指標や先物の価格について、顧客の有利に変動するであろうことを強調した説明は、利益が得られることが確実であることを誤認させるおのであり、断定的判断の提供にあたるとした。

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