朝日新聞【若手弁護士、仕事足りない。就職難】

今日、朝日新聞朝刊に、愛知県弁護士会の弁護士をとりあげた記事が掲載されました。

 

よくある記事で、若手弁護士、仕事足りない、就職難というタイトルでした。

 

この新聞は、離島にいけば仕事があるとか、企業に就職すれば需要があるとか、公務員弁護士を採用したら、とか「思い付き」を記事にしてきた新聞社です。朝日新聞自体も離島では新聞を販売していないですし、日経ならともかく朝日新聞に企業や公務での記事需要があると思いません。更に、再販制度に守られており価格は値上げしかしないうえに、自分たちは公共性があるから、消費税の対象から外せ、と与党にプレッシャーをかけている新聞社です。

少し記事にコメントしたいと思います。

「昨年12月に弁護士になった名古屋市の男性(28)は6月末、勤めていた事務所を退職した。出産間近の妻(31)を実家に戻し、自らも両親の家に移った・・・昨冬、事務所に就職した。休みなく深夜1時、2時まで働く日々。4月には心療内科で業務過多による適応障害と診断された」

私は思うのですが、こういう人は弁護士人口の増加とは関係なしに一定数いると思うのです。名古屋の弁護士は3~5年で独立する傾向にありますから独立後のことも考えないで所帯を持って、1年も勤務できずに退職するということは、どこの事務所にいっても通用しないのではないかな、と思います。弁護士1年生は社会人1年生も多いですから、業務の効率的処理に四苦八苦する人は別に珍しくありません。

ちなみに私は1年目は午前5時まで働いていたこともあります。休みもありませんでしたよ。そしてサラリーマンではない弁護士が「適応障害」と診断されることに何か意味があるのでしょうか。弁護士以前に社会人として甘いような気がします。

弁護士は他人を援助する仕事ですから、「自分原因論」が基本でないといけないと思います。勤務していた事務所が悪い、そういう面もあるでしょうが借金があるか云云ではなく、「頼りない」感じがしてなりません。

「転職を考えたが、借金があった。法科大学院時代の約300万円に加え、司法修習時の生活費約300万円。国が司法修習生の給与を支払っていた『給費制』から、修習生に生活費を貸し付ける『貸与制』に変わったためで、返済が全く進んでいなかった。『弁護士を諦めるには、これまでかけてきた時間とお金があまりにも膨大すぎる』」

私は、この記事をみて、倒産する社長の発想と同じで少し驚いてしまいました。ここまで投資をしたからもう引き返せない、というものです。

しかし、引き返せば良いのです。投資をしてしまったから、取り返さないといけないというのは「ギャンブラー」の発想と同じです。

弁護士に向いていないと自覚したら、合っていない仕事で人生を磨り減らすより、自分に合ったワクワクできる仕事をみつければ良いだけではないかな、と思います。時間とお金が無駄になるから弁護士やるという志であれば辞めた方が良いと思います。

「冤罪で困っている人を救いたくて、弁護士を目指した。だが、実際には手弁当でやりたい仕事をする余裕はなかった」

65期でも名張事件の弁護団に入っている弁護士はいるし、彼らも決して経済的に恵まれたわけではないと思います。しかも活動の中心は日曜日だったと思います。

こういう人たちは、この記事を読んでどう思うのだろう。こういうのを心理学では「否認」というのですが、「やらないだけ」なのですが「できない理由」を探して必死に言い訳をするわけです。

朝日新聞は増員を積極的に煽って、結果若手が苦境に陥ったら「仕事が足りない」とかいって、記事にして儲けているわけです。こういう一貫していない態度から「ブン屋」稼業といわれるのでしょうか。

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