平和への願いを込めた第9交響曲
さて,師走となり,おいそがしい方,おちついてこられた方,さまざまだと思いますが,いかがおすごしでしょうか。
先般,東京で複数の打ち合わせをした後,久しぶりにベートーベンの第9を演奏を聴きにNHKホールまで行きました。N響で,エド・デ・ワールトという方が指揮者でした。
第9というのは,最初は絶望や怒りが描かれ、それらの感情は穏やかになり美しい旋律の楽章となります。怒りなどは忘れられ,歓喜の歌に流れていく,彼の楽曲はそういうストーリー性をも人々をひきつける魅力なのだろうと思いました。
ちなみに,理想の世界を歌う「歓喜の歌」ですが、原題には,深い安堵感という意味(”Freude’)もあるのだそうです。深い安堵感,それはすなわち,地球全体の平和への安堵感が得られる日々が得られるようにという彼の祈りなのかもしれません。
東日本,フィリピン,そしてみなさんの中にも試練を迎えられている方,自分も含めてですが,第9というのは,平和や平穏を求める気持ちを抱かされます。今後も苦しむ方がいれば,助けたいという気持ちが芽生え,それが社会で共有される社会,それが一定において実現している日本だからこそ,この楽曲は日本中で好まれ演奏されるのかもしれません。
今年も様々な出来事がありましたが,相手の立場を思いやり優しい社会となり,人々が「安堵感」をもって新年を迎えられますように,心を尽くしてお祈りいたします。