中小企業が30年後に消滅?
日本経済新聞の取材によると、30年後に中小企業消滅という記事が躍った。
びっくりした人もいたのではないか、と思うが、要するに、「円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ」ということで、中小企業経営の経営者が年老いてしまうというストーリーだ。
ただ、日経新聞がいうほどに後継者不足になっているのだろうか。自分が青年会議所、青年同友会に所属していると後継者や若手企業者も多いので、自分の感覚と違うなあと記事をながめたのです。
たしかに、後継者は、親族以外には出せないので、同族会社の事業承継は難しい。日経新聞が指摘するように、「技術や設備、商標は韓国企業に引き渡した」とあるが、清算処理の一環かもしれないな、と思います。しかし、借金を返せるうちに自主的に廃業するということはネガティブなことではありませんね。
たしかに、今回同友会でプロジェクトでの報告者は、後継者。採用を軽視していたこともあり、後継者を除くと60歳を超える人が多く、世代を継いで技術を継承していくということを経営指針にして社内で発表され、同友会でも発表されるようです。
ただ、日本は中小企業経営が9割以上。中小企業経営なしでは日本経済は決してなりたちません。大企業と中小企業についてみると、やはり就職先の人気も偏ってしまいますし、収益性も全然違ってきている、という面があります。製薬会社が良い例ですが、収益性が高く大企業がM&Aをして、中小企業をのみ込んでいく姿は、個人的に日本社会にとって良いのかな、という気持ちを抱きます。
事業承継を待つばかりでなく、若者の起業を促すことも有効な手立てになる。僕は、ドリームゲートアドバイザーをしていて、起業の支援もしています。ただ、そもそも、事業それ自体が違法ではないことから躓くところもあります。弁護士のリーガルチェックも大事ですね。
起業とその5年後生存率ということもあり、なかなか起業される例が、少なくなってしまうところもありますね。中小企業の30年後がなくなる、というよりも、それは先人の起業の結果であり、現在の人たちがどんどん起業できる外部環境を整備をアベノミクスのステージにも載せて欲しいですね。