会社の後継者になるということ
会社の後継者になるということというのは、どういうことなのか、実際の経験談のご報告を抜粋で掲載したいと思います。
後継者としての名乗りを上げたりしていましたが、後継者になるための勉強も何もしてきませんでした。そして報告者として名乗りを上げ、報告をつくり上げていく中で本当に自分と向き合うことができました。同友会の仲間といろいろな話をする中で徐々に後継者になるという意味を理解していきました。今まで言われていたことが社長としてではなく父親として聞いている自分がいて、そこに甘えていたことに気づきました。口では社長と言いながらも腹の中では父親としてしか見ていませんでした。また、社長からの辞職勧告では「やめろ」と言われた時はもうこの会社にいれないなという思いがあったものの、正直辞める勇気はありませんでした。
会社を後継するということは、現場での実務を誰にも負けないぐらい一生懸命やることの延長線上だと考えていました。しかしそれは仕事のよく出来る番頭さんで、後継者ではないのだと気づくことができました。
私は今まで従業員としてはすごく頑張ってきました。ただ2年前に後継者として宣言しているのに何も変わらない私に社長はどうしていいのか考えていたのだと思います。社長が私に気づかせようという優しさがやっとわかりました。後日、社長に辞職勧告をしたときの想いを聞く機会がありました。社長にしてみれば「やめろ」と言ったのは最後の賭けだったそうです。そこまでされないと気づけない私自身が情けなく思います。このきっかけがなかったらまだまだわかっていなかったかもしれません。
私が考える後継するということは、まず今自分の周りにあるもの全てに対して感謝をすることです。そして、社長の想いを理解した上で社員みんなにその想いを伝え浸透させていくことです。また、この・・・という会社に対して私が愛を持って、そして関わる全ての人に対して責任を持つという覚悟が必要です。まだ経営者としてはまったく知識もありませんし、まだまだ職人気質なところも抜けていませんが、心で人が動くような団結力のある会社にしていきたいと思っています。そして今まで社長が築き上げてきた会社の理念を大事にしていきたいと思っています。