お役立ちコラム

デリバティブ取引紛争の概観

デリバティブ取引について、銀行による中小企業向け為替デリバティブ、個人向けの仕組債、仕組み投資信託の販売、学校法人向けのデリバティブ販売等があります。

 

この手の事案は法律相談を受ける弁護士としても、互いに意識しなければ、それぞれがイメージしているケースが違っている議論をしていることもあります。

 

説明義務について高裁判決ではあるものの、証券会社と顧客との間には、取引の対象となる金融商品に関する知識や取引経験、情報収集能力に大きな格差があることが一般的とされていると前提にしたうえで、「取引の仕組みやリスク等の情報について、必要かつ相当な範囲で具体的な説明を行うべき信義則上の義務を負うものとされています。そして、顧客は、必要な説明を受けた後には自己責任の下に投資判断を行うものであるから、必要とされる説明義務の程度は、当該顧客の知識、取引経験、理解力等に応じて自己責任の下に合理的な投資判断をするのが可能か否かという点から決定されるべきであるとしたこともあります(東京高裁平成24年7月19日)。

 

こういった点はベースラインとなっております。

 

東京地裁平成24年11月12日について、「オプション取引の経験がない一般投資家に対して、ノックインプットオプションの売り取引による損失のリスクを負担させる金融商品を勧誘するにあたっては、金融工学の常識に基づいても、、他の金融機関とは異なるオプション取引のリスク特性及び大きさを十分に説明し、かつ、そのようなリスクの金融工学上の評価手法を理解させた上で、オプション取引によって契約時に直ちにしかも確定的に引き受けなければならない将来にわたる重要なリスクを適正に評価する起訴となる事実であるボラティリティ(株価変動率)、ノックイン確率及び確率的に予想される元本毀損の程度などについて、顧客が理解するに足りる具体的で分かりやすい説明をすべき信義則上の義務がある、ということです。

 

ポイントは、この取引をするとどうなるのか、この契約をしたら自分はどうなるのか、どのようなリスクがあってどんなメリットがあるかということだと思われる。

朝日新聞の論考と日本の内向きさ?

朝日新聞に外国人学者の論考が寄せられていた。

 

いわく日本での難民申請についての受け入れ率が低く、かつてインドシナ難民を受け入れた経験から、難民の認定を増やすべきというものである。

 

これは、既に報じられているように、難民認定の99%が却下されている、ということ、にある。

 

本当に、難民の受け入れが必要なとき、その人権先進国としての我が国は、その受け入れ率は1割程度は確保するべきではないかとの意見を抱いた。

 

他方、学者は、日本では難民がいないことから、これほどの失われた20年の中でも排外主義が起こらなかったと指摘されていた。つまり、排外するべき対象外国人がいないわけ、というわけである。

 

そこで、日本では、比較的中道の首相が続くということになったという皮肉もあり、政権自体は安定していたという評価が下されていた。

 

たしかに移民はフランスがイスラミック・ステートとの間で、センシティブな問題である。イスラム移民が少なければテロは起きなかったのだろうか。

 

しかし、だからといって日本の内向きは望ましくない。日本に多く観光客が訪れるようになり、特に京都ではそれを実感する。だが、我々も海外に目を向けていかないといけないし、若い人もそうであって欲しい。

住宅兼店舗において喫茶店を経営する者とクーリングオフ

東京地裁平成27年10月27日において、喫茶店を経営する事業者が、ファックスのリース契約を締結したので、クーリングオフしたところ事業者性が問題となりました。

 

事業者性は収益物件などをお持ちの方も問題になり得るところです。

 

本件は、事業者性を認めた例として注目されます。

 

判断のポイントとしては、店舗兼住居であるところ、電話機の親機が2階に設置されていたこと、営業規模が小さいこと、家族の私用での利用が大半であること、業務に関連する電話がかかってくるということがなかったことなどが挙げられています。

 

そして、喫茶店とファックスとの相性の悪さもあげて、営業使用の必要性の低さをあげて、契約名義が喫茶店の屋号であること、リース料を営業経費に計上していること、ファックス番号が電話帳に記載があることを考慮しても、特商法26条1項1号の事業者性の要件を満たさないので、クーリングオフによる契約解除を有効としています。

不招請勧誘により開始された商品先物取引において、損害の全部を認めた事例

東京高等裁判所平成27年10月21日は、

・投資経験ほどんとない

・通常の商品先物取引

・損害の全部の賠償を認める

ものでした。

 

控訴審では、

・不招請勧誘、説明義務違反、新規委託者保護義務違反、適合性原則違反、一任取引、無意味な特定売買などの違法による不法行為を認めたもの

 

事実認定ですが

・被害者の意思に基づいて積極的に行われたものか

・勧誘の招請ということを認めなかったもの

 

といえます。

 

投資経験に加えて、一連の意思を認定している点が参考になると思われます。

分譲マンションの売主に説明義務違反が認められた事例

思い出深い判決が出たなあと思います。

 

学生時代から地裁レベルで争いのあった論点、不動産業者は、日影規制がない状況で日照規制がありません。

 

つまり「日照権」が法的に保護に値するか否かというところをベースラインに議論をしないといけません。

 

そのうえで,控訴審は,日影規制の保護ないこと,日影の影響が及ぶ「可能性」があることを説明する義務があるとしました。

 

しかしながら,インフォームドコンセントと一緒で否定的な情報ばかりでは不動産は販売できないのも事実でもあります。

 

当事務所の周辺も周囲にホテルの建築があったり大学院ができたり,以前と比べると,開発が進んできている印象です。

 

しかし,客観的に自分で調べることもできますから日照権の保証がない場合,やむを得ないケースが多いのですが、そうした点にマンションを建築するという点で商業地区との峻別という都市開発論的問題点をはらむものといえるものと解されます。判決文を読むと,「神戸特殊論」を展開して,「極めて重要」ですがそれは居住に限らず商用利用ですら「極めて重要」なのですから,立論において無理があるように思われます。

 

本契約では,「マンションが建つかもしれないが,プライバシーや日照について本件マンション住民への配慮がされるといった誤解を招く説明をした」という点をとらえた救済判例といえるかもしれないです。理論上は,商用地であって,しかも現実化していないマンションの建設の仮定において日照が阻害されることを日照権の権利性がない地区で主張するのは相当に困難といわざるを得ないように思われます。損害額も25万円程度とされたようです。なお上告不受理決定が出されたことから,改めて紹介されることが増えるようになったようです。

 

大阪高等裁判所判決/平成25年(ネ)第2160号

(1) 上記1の認定事実によれば,次の各事実の存在を指摘することができる。

ア 六甲アイランドは,神戸市主導の下,官民一体となって,利便性の高い都市機能と良好な住環境を両立するように計画的に街作りが進められた地域であり,日影規制の規制値を上回る水準で,他の住戸等からの日影が及ばないように建物が配置されている。そして,被控訴人らも,このような六甲アイランドの優れた住環境を享受できるものと期待して被控訴人マンションを購入した。
イ 法規制(行政処分及び行政指導も含む。)の面についてみると,六甲アイランドの第1種住居地域は,日影規制の対象区域外とされているものの,本件要綱により,六甲アイランド開発当初から住居として使用されることが計画されていた区域については全てその適用区域に指定され,日影規制と同等の日照が確保されている。他方,被控訴人マンション敷地及び本件土地については,同じ第1種住居地域内にありながら,その南側の土地での高層住宅群の建築を可能とするために本件要綱の適用区域外とされ,地区利用計画上も,文化活動,レクリエーション活動の場として,文化,教育,スポーツ,レジャー等の施設を設置することが想定された文化・レクリエーション地区に指定されており,住居のある区域とは明らかに異なる取り扱いがされているが,それにもかかわらず,戸建専用住宅が禁止されるのみで中高層の共同住宅の建築は禁止されていない。このような一貫性を欠くといえる規制の結果として,六甲アイランドの第1種住居地域内の住居で唯一本件要綱の適用を受けない被控訴人マンションが建築されるに至ったものである。
このような被控訴人マンションの状況は,本件要綱が制定される以前の昭和52年10月28日,第1種住居地域については原則としてその全域を日影規制の適用区域とすることが望ましいとする建設省住宅局長通達が出されていたこと(甲27),兵庫県内の第1種住居地域においては,神戸市内の臨港地区,流通業務地区及び特別緑地保全地区といった特殊な用途が想定される地区や一部埋立地を除き,その全域が日影規制の適用区域とされていること(前提事実,甲19の1,弁論の全趣旨)に照らしても,かなり特殊なものというべきである。
なお,控訴人らは,六甲アイランドの第1種住居地域において本件要綱の適用区域外となっている土地は被控訴人マンション敷地及び本件土地のみではないこと,第1種住居地域であっても大阪市のように日影規制のない土地も存することから,上記の被控訴人マンションの状況は特殊なものではないと主張する。しかし,本件要綱制定当時,六甲アイランド内の第1種住居地域内においては,当時ラグビー場として使用されていた被控訴人マンション敷地及び本件土地のほか,美術館,テニスコート,大学施設,駅といった住居以外の施設のみがその適用区域外とされていたのであり,本件要綱の適用を受けない被控訴人マンションがこの地域の中において異質のものであることは明らかというべきであるし,大阪市との比較については,六甲アイランドが埋立地から計画的に街づくりが行われた都市であることや,六甲アイランドと大阪市との都市としての機能や規模の違いを度外視した合理性に乏しい主張といわざるを得ず,採用できない。
ウ 被控訴人マンション販売当時,本件要綱の存在は一般には公表されていなかったのであり,一般消費者である被控訴人らが上記のような被控訴人マンションの特殊な状況を自ら調査して把握するのは極めて困難であった。他方,控訴人らは,被控訴人マンション敷地及び本件土地が第1種住居地域内にありながら日影規制の対象地域となっていないという神戸市の住宅地として特殊な状況を確認しており,本件要綱の適用区域となっていないことも知っていた。
エ 控訴人らは,被控訴人マンション敷地及び本件土地を購入した当初から,被控訴人マンション敷地と本件土地のそれぞれにマンションを建築することを計画していたが,マンションの売行きをみるため,被控訴人マンションを先行して建築した。そして,被控訴人マンションの建築について,六甲アイランドの地区計画に反するとして周辺住民から反対運動を受け,陳情を受けた神戸市の行政指導により建築計画を変更し,隣接する本件土地については,神戸市との間で市有地との交換について協議を継続していた。もっとも,神戸市との協議が難航していたことから,控訴人らとしては,本件土地上にマンションを建築する計画を断念しておらず,建築を実行する場合には,日影規制等があれば建築することができない規模のマンションを建築することを予定していた。
(2) 上記(1)の事実からすれば,被控訴人らにとって,被控訴人らにマンションを購入するか否かを検討するに当たっては,六甲アイランドの優れた住環境を永年にわたり安定的に享受することができるかが重要であり,優れた住環境の内容には日照の確保も含まれるのであるから,被控訴人マンションが含まれる区域の日影規制等についての情報や,本件土地にもマンションの建築計画があるのであればその情報も重要であったというべきである。他方で,控訴人らは,被控訴人マンション敷地及び本件土地には日影規制等がないという特殊な状況にあることを知ってこれらの土地を購入し,被控訴人マンションの販売の当時から,その特殊な状況を利用するかたちで本件土地上にもマンションを建築することを計画しており,計画が実現されれば,被控訴人マンションの日照に影響を与える可能性が十分にあったといえる。このような事情は,日影規制等が及び,それを上回る水準の日照が確保されている六甲アイランドの他の区域の建物との間に,住環境として少なからぬ差異をもたらすものであり,被控訴人マンションの住居としての価値を減少させるものであって,被控訴人らにとって,被控訴人マンションを購入するか否かを検討するに当たって極めて重要な情報というべきである。
そうだとすれば,控訴人らは,被控訴人らに被控訴人マンションの購入を勧誘するに当たり,信義則上,被控訴人らに対し,被控訴人マンションが日照について日影規制等による保護を受けないものであり,控訴人らが本件土地上にマンションを建築した場合に,被控訴人マンションの日照に影響が及ぶ可能性があることを説明すべき義務があったというべきである。
(3) にもかかわらず,控訴人らは,本件説明書により,被控訴人マンションが建築基準法による日影規制の対象とならないことを説明したにとどまり,本件土地にマンションが建築された場合に被控訴人マンションの日照に影響が及ぶ可能性のあることを説明しないばかりか,マンションが建つかもしれないが,被控訴人マンション北棟と同南棟との間隔と同程度の間隔が確保される,プライバシーや日照について被控訴人マンションの住民への配慮がされるなどと誤解を招くような説明をしている
したがって,控訴人らは,上記の説明義務を怠ったというべきである。
(4) 控訴人らは,①本件マンションの日影による日照阻害に違法がないのであるから,これに関し控訴人らに説明義務違反があるとはいえない,②被控訴人マンションないし六甲アイランドは必ずしも優れた住環境を有しているとはいえず,被控訴人マンションに日影規制等が及ばないことは価格上有利な事情であるから,本件要綱の適用区域に指定されていないこと及びその意味など,日影規制等の詳細を説明すべき義務はない,③宅地建物取引業法による日影規制の説明義務は,取引の目的不動産の周辺の建物にまでは及ばないなどと主張する。

しかし,上記①の主張については,被控訴人らの主張する説明義務は,被控訴人マンションの購入を検討するに当たって重要な情報に関するものであって,日影による日照阻害を前提とするものでないから,日照阻害に違法性がなくても,説明義務違反がないとはいえない。上記②の主張については,被控訴人マンションないし六甲アイランドが優れた住環境を有していることは前記説示のとおりである。また,建物の敷地について日影規制等が及ばないことは,建築された建物を購入して居住する者にとっては,建物の価格の面で有利な事情となり得る反面,同様に日影規制等の及ばない隣接地上の建物によって日照を阻害されるおそれがあるという点で,むしろ不利益な事情というべきであるから,同主張も採用できない。上記③の主張は,宅地建物取引業法による説明義務が,控訴人らの説明義務の全部を画するものではないから,これを採用することもできない。
したがって,控訴人らの上記主張は,控訴人らに説明義務違反があるとの前記判断を左右しない。

日曜に想うー消えゆく公平中立の役所

平成27年10月18日付朝日新聞に星浩執筆の「消えゆく公平中立の役所」が掲載された。

 

星によれば、ある50代半ばの公務員が「このところ、役所の公平中立はどうなるのか考えることが多いです」といわれた。

 

その理由は、税制再建路線とはいえない安倍政権につき名目3パーセントの成長が実現できるという原案を内閣府が作った。

しかし、名目3パーセントの達成は、最初から無理とみんなわかっている話と述べたようで、「かつて経済企画庁で、エコノミストが公平中立の数字を出していた時代ならあり得ない」と話し、結果的に、安倍首相の顔色をうかがって無理な数字を並べたもの、と概ね思っているようだ、と論じている。

 

星は、片山慶応大教授を引用し、「長い目で見れば、組織の信頼性を失う。法の支配の法治ではなく、人の支配の人治になってしまう。」

 

星は、カナダが上級庁に法律の解釈を問い合わせる「照会制度」が議論されていることを指摘している。これは、高裁や最高裁に問い合わせるのと似ているだろう。

 

これに対して、日本でも、今年最も印象に残ったのは、ある女性裁判官とある男性裁判官だ。ひとりは、「こどもの幸せは裁判所が決めます」と発言した。人治の象徴である。

結局、星が紹介した50代半ばの公務員と同じく、体裁は綺麗にできているが中身が名目3パーセントなんてとても無理、というのも、「国民の幸せは安倍首相が決めます」ということになると論じることに結びつきかねない。仮に、政治家や省庁の公権力行使公務員がこのような発言をした場合、進退問題に直結することは避けられないだろう。しかし、体裁だけ綺麗にできているが中身が詐欺的であれば、それは騙しているのと一緒ではないだろうか。もちろん一方当事者の利益代表を語るのであればそれでいい。しかし、50代半ばの幹部は、もともと役所は、「公平中立」のはずなのに、どうして誰かの利益代表になっているのか、という点に疑問を感じているのではないかと考えられる。

 

他方、裁判官は職権が独立しているため、独りよがり、つまり独善的な裁判官が生まれやすい。この点、検察庁は、検察官組織一体の原則があるため職権は独立していても組織であることが強調されているので、独善的と断じられるほどの検事は、一部テレビで取り上げられるようなケースを除いてはあり得ない。ある男性裁判官は弁護士会が裁判官を評価することは名誉棄損となり、それを非公開の手続で引用することが名誉棄損になるおそれがある恐れがあるという。

 

しかしながら、この男性裁判官は間違っている。意見の表明は公正論評の法理ということがあります。公正論評の法理の理論によれば、結果として公務員として社会的評価が低下しても名誉棄損にはならないものと考えられています。ここまで表現の自由の法理が、裁判官によって公然と破られるのも、「公平中立」の自覚がないからではないでしょうか。

公務員に関する論評は公正論評であり、公益目的に出たものであることが擬制され、真実性の証明、あるいは真実と信じるに相当な理由があれば名誉棄損にはならない。アメリカではこのような裁判官が登場することを防止するため、「現実的悪意の法理」を採用し、公人に関する表現行為については名誉棄損が成立する範囲は狭くなると理論的に制限されています。

後者の男性裁判官は石原慎太郎東京都知事から「相当変な裁判官」(当時の朝日新聞報道による)と酷評され、男性裁判官の起案した異色の判決は概ね東京高等裁判所で破棄されている。財務省幹部からも「国敗れて(行政)三部あり)」と酷評されていた。決定文によると、原審裁判官の訴訟指揮の不当性に触れると「名誉棄損になる疑い」があるというが、刑法や民事不法行為法の基本を知っているのだろうか。いわゆるフェアコメントの範囲内で名誉棄損が成立可能性は一ミリもありません。

 

星が論じるように、公平中立の役所が消えゆく中で、「誰か」の利益を代表する役所、つまり不公平で肩入れした役所が増えてくるという論理的帰結になる。そうなると、本来「公平中立」同士が争うような場面を増えていくのだろうかと考えていく。特に、家裁や刑事の無罪の判決文などは、あまり参考になるものがないといわれ、自分で思考しながらかっては書かれていたというが、こうして思考しながら書いてくれれば良いのだろうが、星がいうように、実際は上級庁の顔色をうかがい「あり得ない内容」を」綺麗に原案にまとめあげる、これが公権力行使、すなわち、ある目的の達成のため国民の権利義務を形成・制限するに処分として利用される場合、経済企画庁と裁判所では、行使する権力の「暴力装置」としての度合いが異なる。

 

裁判所は公平に裁判をする仕組みとしてカナダが導入しているように、「照会制度」「判断形成過程の可視化」などいつも当会が主張していることではあるだろうが、考えていただきたいものである。また、裁判所に苦情を申し立てる仕組みがない、というのも問題が大きく、直近上級司法機関に、懲戒請求をするように求めることができる、などはあってもいいのではないか。公務員個人に対する賠償も全く認められないものではなく、国家賠償請求が認められ、また名誉棄損がある場合には別途公務員は個人責任を負うという昭和30年の最高裁判例があります。

 

しかし、星や片山が論ずるように、長い目でみれば人治は組織の信頼性を失わせることを考え、かつ、公権力を直接行使する公務員は高給であることに照らすと、昭和30年判例の個人責任を認める後段説示部分やあるいは立法において、個人責任を認める方向性にしていかなければ、「失われた公平中立の役所の閉鎖性」ほど怖いものはないのではないか。

 

そうすると、公平中立を重んじる立場からは、公正論評をしたとしても、公正中立でない役所からの批判が事実上出て、「自由にものをいえない社会」こそ、僕等の望まない社会ではないだろうか。

ドリームゲート(チャレンジゲート)セミナーが主宰されました。

昨日、ウィンクあいちで、チャレンジゲートのセミナーが開催されました。

 

テーマは「知っておくといい!お金に関する知識」で、質疑応答を中心に展開し、ご満足いただける内容になったのではないでしょうか。

 

講師は米津税理士で、創業補助金、小規模持続化補助金、ものづくり補助金、トライアル助成金、特定求職困難者雇用開発助成金、高年齢雇用開発特別奨励金などの説明もありました。

 

しかし、スーツは経費になるの、といった質問ですが、役員の方はなりませんとのことでした。個人事業は見解が分かれるものの自分は割合において経費としているとのことでした。

 

次回のチャレンジゲートもドリームゲートのホームページからご覧いただけます。

創業後に困らない経営者に必要なお金の話

チャレンジゲートの講演会が開催されます。

 

税理士の米津晋次(よねづ税理士事務所)さんがわかりやすく「お金」に関する講演がありました。

 

もらったお金に税率をかければ良いので簡易課税制度が、難易課税制度かもとの説明もありました。

 

さて、法人化については、給与の設定で変わってきます。個人事業で500万円の利益が出ていたということになりますが、会社になりますが、500万円を役員報酬にして500万円にするか、いいか悪いかは別にして、当然のことです。所得控除の条件がありますので一概にはいえませんが、法人をするといっても、法人化すると経費も増えることになります。法人の申告書は、素人の方はまず難しいことになります。

 

馬鹿にできないのに、銀行の手数料ということになっています。

 

法人ということで細かく変わるということになります。利益800万円の場合が目安になると考えています。60万円くらい増えますので経費を吸収することができます。

 

また、融資があれば借金の返済もしなければなりません。

 

現金購入・リース・ローンのいずれが良いのかという話もされました。それぞれ一長一短ですがキャッシュがあるならば、現金で買うということになります。

 

ローンは購入に該当するので定率法が一般的であるので、経費はそれほど少ないといえると考えられます。

創業後に困らない経営者に必要なお金の話

チャレンジゲートの講演会が開催されます。

 

税理士の米津晋次(よねづ税理士事務所)さんがわかりやすく「お金」に関する講演がありました。

 

もらったお金に税率をかければ良いので簡易課税制度が、難易課税制度かもとの説明もありました。

 

さて、法人化については、給与の設定で変わってきます。個人事業で500万円の利益が出ていたということになりますが、会社になりますが、500万円を役員報酬にして500万円にするか、いいか悪いかは別にして、当然のことです。所得控除の条件がありますので一概にはいえませんが、法人をするといっても、法人化すると経費も増えることになります。法人の申告書は、素人の方はまず難しいことになります。

 

馬鹿にできないのに、銀行の手数料ということになっています。

 

法人ということで細かく変わるということになります。利益800万円の場合が目安になると考えています。60万円くらい増えますので経費を吸収することができます。

 

また、融資があれば借金の返済もしなければなりません。

 

現金購入・リース・ローンのいずれが良いのかという話もされました。それぞれ一長一短ですがキャッシュがあるならば、現金で買うということになります。

 

ローンは購入に該当するので定率法が一般的であるので、経費はそれほど少ないといえると考えられます。

オーナー株の相続

さて相続で遺産分割が決まるまでの間、株式の権利はどのように行使されるのか、特に同族会社の場合は大きな問題となります。

 

事業承継といえば過ごし大袈裟ですが、遺産分割がまとまるまでは法律上、共有ということになりその権利行使は過半数で決めることになることになります。

 

なんとなれば、当然のことを判決しただけなのですが、会社法の規定が、創設的な規定で、そうではなくても行使できると解釈する余地があることから問題となっていました。

本件は、Y社の発行済株式の総数3000株のうち2000株をAと2分の1ずつの持分割合で準共有しているXが、Y社の株主総会決議には、決議の方法等に法令違反があると主張して、Y社に対し、会社法831条1項1号に基づき、上記株主総会決議の取消しを求めた事案である。上記の2000株(本件準共有株式)について、会社法106条本文の規定に基づく権利を行使する者の指定およびY社に対する通知はされていなかったが、Y社がAによる本件準共有株式全部についての議決権の行使(本件議決権行使)に同意したことから、同条ただし書により、本件議決権行使が適法なものとなるか否かが争われた。
具体的にいうと、会社法106条ただし書の意義について、準共有株式についての権利の行使の方法について民法の共有に関する規定に対する「特別の定め」(同法264条ただし書)を設けたものと解した上で、会社法106条ただし書は、株式会社が当該権利の行使に同意をした場合には、権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものとしました。しかし、会社法106条ただし書を解釈し、同条本文が同条ただし書により打ち消された後の規律については、同条本文と準共有に関する民法264条との関係から、準共有株式についての権利の行使は民法の共有に関する規定に従っている必要があると解したものと考えられる。判決の立場は、問題となる権利の内容に応じて、当該権利の行使が、準共有株式の保存行為(民法252条ただし書)、処分もしくは変更行為(同法251条)、または管理行為(同法252条本文)のいずれの場合に該当するのか、また、該当する場合における所定の要件を充たすのかによって、当該権利の行使が株式会社の同意により適法となるか否かを判断するものであるといえます。

本判決は、「本件議決権行使の対象となった議案は、①取締役の選任、②代表取締役の選任並びに③本店の所在地を変更する旨の定款の変更及び本店の移転であり、これらが可決されることにより直ちに本件準共有株式が処分され、又はその内容が変更されるなどの特段の事情は認められないから、本件議決権行使は、本件準共有株式の管理に関する行為として、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの」とした。

判決内容は以下のとおりです。

会社法106条本文は,「株式が二以上の者の共有に属するときは,共有者は,当該株式についての権利を行使する者一人を定め,株式会社に対し,その者の氏名又は名称を通知しなければ,当該株式についての権利を行使することができない。」と規定しているところ,これは,共有に属する株式の権利の行使の方法について,民法の共有に関する規定に対する「特別の定め」(同法264条ただし書)を設けたものと解される。その上で,会社法106条ただし書は,「ただし,株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は,この限りでない。」と規定しているのであって,これは,その文言に照らすと,株式会社が当該同意をした場合には,共有に属する株式についての権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものと解される。そうすると,共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において,当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは,株式会社が同条ただし書の同意をしても,当該権利の行使は,適法となるものではないと解するのが相当である。
そして,共有に属する株式についての議決権の行使は,当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し,又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り,株式の管理に関する行為として,民法252条本文により,各共有者の持分の価格に従い,その過半数で決せられるものと解するのが相当である。
6 これを本件についてみると,本件議決権行使は会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたままされたものであるところ,本件議決権行使の対象となった議案は,①取締役の選任,②代表取締役の選任並びに③本店の所在地を変更する旨の定款の変更及び本店の移転であり,これらが可決されることにより直ちに本件準共有株式が処分され,又はその内容が変更されるなどの特段の事情は認められないから,本件議決権行使は,本件準共有株式の管理に関する行為として,各共有者の持分の価格に従い,その過半数で決せられるものというべきである。
そして,前記事実関係によれば,本件議決権行使をしたBは本件準共有株式について2分の1の持分を有するにすぎず,また,残余の2分の1の持分を有する被上告人が本件議決権行使に同意していないことは明らかである。そうすると,本件議決権行使は,各共有者の持分の価格に従いその過半数で決せられているものとはいえず,民法の共有に関する規定に従ったものではないから,上告人がこれに同意しても,適法となるものではない。

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